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MBO・目標管理制度による評価制度、導入方法と効果

MBO・目標管理制度による評価制度、導入方法と効果

この記事は2分ほどで読めます (約927文字)

目標管理でもっとも知られているポピュラーな目標管理制度、MBO。その成り立ちと導入方法について解説します。

MBO・目標管理制度とは

MBOとは、「Management By Objectives」の略称で、かの経営思想家ピーター・ドラッカーが提唱した目標管理制度のことです。

グループや個人ごとに目標を設定し、その達成度によって評価を定める制度であり、「MBO評価」とも呼びます。

個々の目標を経営目標や部門目標と連動させることで、業績アップを目指す目的もあります。具体的には以下の4つの項目から成り立ちます。

  • 能力開発目標
  • 職務遂行目標
  • 業務改善目標
  • 業績目標

MBOにおける注意点は?

「目標管理」は、一方的に決められた目標の達成を推奨するものではありません。

「自分にとって望ましい目標」を社員自らが設定することが重要。上司はその適正度、組織目標との結びつきを考えながら、達成に向けてサポートしていきましょう。

自己評価と上長評価、これらにより次期の課題を明確にし、目標を実現していきます。

MBO実施のポイント

MBOは、自主性が高い制度となるため、運用次第では社員のやる気や仕事に対するモチベーションにつながります。そこでポイントとなるのが以下の5つのポイントです。

  • 具体的・かつ追いやすい目標
  • 容易に達成できる目標や達成不可能な目標を立てない
  • 目標に対して期間を設ける
  • 目標達成に対する取り組み方を明記させる
  • 社員個々の役割や会社の戦略に沿った目標にする

「学びながらチャレンジのできる目標」かつ「努力や工夫次第で達成が可能なレベルの目標」を設定することが大切です。

また、長い間目標を追いかけるのではなく、期間を決めて短期間で達成させることも重要となります。自主的に実施するのは困難であるため、上司のフォローは必須となります。

MBO実施の流れ

MBO運用にあたっては、以下の4つのステップを適切に行う必要があります。

  1. MBOを運用するにあたり各自適切な目標設定を行う
  2. 目標達成のための行動計画を行い実行する
  3. 日報・定期面談を活用し上司による進捗確認を行う
  4. 上司からの客観的な評価・フォローをもらい次の行動を実行する

MBOのメリット

人事評価に組み込める

目標設定やその結果が追いやすいため、評価を容易に行うことができます。労務行政研究所「2010年1月人事労務諸制度実施状況調査」によれば、導入企業は約7割にものぼるとのことです。

個々の能力開発・育成が見込める

上司のフォローは必須ですが、目標に向けて個々が思考し続けることで、社員の能力開発に大きく寄与します。ここでポイントとなるのが「達成不可能な目標を立てない」「目標達成に対する取り組み方を明記させる」ということです。達成可能な目標に対して不足する部分をどう補うかを考え続けることで、新たな能力開発・育成につながります。

モチベーションの向上

達成可能な目標設定により、社員個々の承認欲求を満足させるメリットがあります。企業の成長に寄与する、ということを上司からも認識させることで、「自分は企業の役に立つ人材だ」という自信につながります。

MBOのデメリット

目標設定の見誤りが起きてしまいがち

達成のみに目を向けて目標を低めに設定してしまう、という本質からずれた目標設定が起こりがちです。目標設定の際には上司自身が確認を行い、目標の難易度を加味した設定を行うことが大切です。

目標達成に関係のない業務を切り捨てる

目標達成に関係のある業務にのみ集中したいという考えから、評価に関係のない業務を行わなくなるデメリットも考えられます。行動評価や業務姿勢も含め、目標のみに捉われない総体的な評価を行う必要があります。

社員のモチベーションの低下

目標設定に不慣れである場合や、目標達成能力が低い社員はモチベーションが下がる可能性があります。上司やマネージャー陣の指導・フィードバックを行い続けてモチベーションを保つ必要があります。

この記事を書いた人
名越 和徳

名越 和徳