OKRとは?基本の考え方や導入方法、MBOやKPIとの違いを徹底解説
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目次
OKRとは、「Google」や「Facebook」といった大手企業が導入し注目を浴びている目標設定・管理ツール手法のひとつのこと。Objectives and Key Results(目標と主要な結果)の略称であり、従来の方法に比べ、高い頻度で目標設定と振り返り、再評価を行うという点が特徴です。
OKRの大きな利点は、目標をロジカルに設定でき、モチベーションの維持やエンゲージメント向上に期待ができるところにあります。また、従業員全員が同じ方向を向きながら、計画を進行することができるとされています。
OKRを構成する「要素」
OKRはひとつの「目標(O:Objectives)」に対して、複数の「結果(KR:Key Results)」がで構成されています。
目標(O:Objectives)
OKRにおける目標はシンプルかつ定性的であり、チームを盛り上げるようなチャレンジングなものであることが前提条件となります。また、1~3ヶ月程度で達成が可能であり、定量的な指標は含めなくて良いとされています。
結果(KR:Key Results)
定性的な目標に対し、結果は数値で測れる定量的な指標で示します。目標一つに対して、結果は2~5つ程度とし、不可能ではなくベストを尽くすことで達成可能なストレッチの効いた目標設定が効果的です。
OKRによって得られる効果とは?
プロジェクトの革新性やリスク・無駄の排除
OKRはあえて、目標サイクルを1~3ヶ月に設定します。短期的な目標設定であるため、フレキシブルに調整・変更が可能であるため、目標設定に伴ったプロジェクトの革新性を高めることができます。また、状況に応じて修正が効くため、中長期的な目標が失敗に終わった場合のリスクや無駄を排除することができます。
目標設定にかける時間の削減
OKRの目標設定は定性的でシンプルなものとします。そのため、目標設定において陥りがちな設定に時間を費やすということがありません。また現状から一段階上の階層の目標をベースとするため、ゼロから考える必要がありません。
従業員エンゲージメントの向上
全社で目標を共有することで、企業貢献を各社員が実感しやすく、同じ方向に向かって動くという帰属意識も生まれ、エンゲージメントが向上すると言われています。
設定した目標に向かい集中できる
前述の通りOKRは目標をひとつに定めます。限られた目標に集中することで、より高いレベルで各自が設定した目標に取り組むことができます。
より高い目標にチャレンジしやすい環境づくり
OKRは報酬制度とは切り離された目標管理方法となります。そのため、例え目標が未達成であったり失敗に至ったとしても、良い意味で失敗を恐れることなく、高い目標に挑戦しやすい環境を作り出すことができます。
OKRと他の目標管理との違いとは?(MBO、KPI)
MBOとのちがい
目標管理制度であるMBOとは、以下の6つの違いがあるとされています。
評価の頻度
一般的に年に一度の評価を行う中長期的な目標設定を行うMBOに対し、OKRは1~3カ月程度の短期間で評価を行います。こまめに各個人のパフォーマンス軌道修正が可能となります。
達成度の測定方法
MBOのスコアリングは組織によって大きく変わる一方、OKRは「SMART(Specific=具体的に、Measurable=測定可能な、Achievable=達成可能な、Related=経営目標に関連した、Time-bound=時間制約がある)」に則した目標設定となります。定量的なスコアリングにより、達成度の測定方法が簡単かつ、正確な判定が可能となります。
共有範囲
MBOにおける目標は従業員と上司や人事担当者間のみで共有される一方、OKRの目標は企業全体、もしくはチーム内で共有されます。個々の目標が組織全体の目標に対してどう貢献のある目標であり、それを達成するためにチーム内でどういった連携をおこなうかを共有し、目標達成に動きます。
目的
MBOは人事評価に用いられるという側面からも、従業員の報酬を決定することが主な目的となります。対してOKRは、企業全体の目標達成が最大目的となります。企業が進めべき方向性・目標を理解することにもOKRは役立ちます。
目標達成の期待水準
MBOは100%の達成が望まれるのに対し、OKRは平均的に60~70%の成果が期待されます。むしろ、常に100%達成できてしまうような目標はOKRにふさわしくないとみなされます。
KPIとの違い
OKRは最終目的地を定め、その過程でどこを通っていくのがベストであるかその結果・指標を決めるツールだと思ってください。自動車でいえば、カーナビのようなものです。
一方、KPIは計器盤のようなもの。最終目的地に到達するために示した指標に対して、どのような速度で向かうか、燃料は足りるか、など目的地へ向かう上での進捗や途中経過を確認する方法となります。
OKR・KPIの両方を駆使することが目的地到達の近道になると言えるため、どちらも駆使することが目標達成の最善策であると言えるでしょう。