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部下とのコミュニケーションを深め、生産性を向上させるための方法

部下とのコミュニケーションを深め、生産性を向上させるための方法

この記事は4分ほどで読めます (約2431文字)

部下とのコミュニケーションが難しく感じたことはありますか?
部下とのコミュニケーションがうまくいかず、部下が思うように育ってくれないという悩みを持つ人も多いことでしょう。

例えば、友人間でのコミュニケーションにおいては、ゴールや目的などはない場合がほとんどです。しかし、ビジネスにおいては達成すべき目標や目的が伴います。
当然、上司であれば部下の成果にコミットする管理責任が発生します。だからこそ、自分の思惑通りに動いてくれない部下であれば、イライラやもどかしさを感じ、高圧的な態度や時には恫喝などをしてしまうこともあるでしょう。

とはいえ、そういった悪しき関係性のままでは、いずれ部下の心は離れ、成長しないどころか離職のリスク生じる危険性があります。そうなる前に、部下とのコミュニケーションの手法を学び、円滑なコミュニケーションをとれるようにすることをおすすめします。

部下とのコミュニケーションで気を付けるべき点は以下の通りです。

  1. 話を聞いてあげる
  2. 笑顔で接する
  3. ネガティブな言葉を使わない
  4. 悪口は避ける
  5. ポジティブな話をする
  6. 目的やゴールの共有
  7. 共に問題解決を行う
  8. 褒める・認めてあげる

少し多いですが、難しい話ではありません。ひとつひとつ解説していきましょう。

話を聞いてあげる

傾聴力は、何においても人を引き付ける魅力になります。例えば会話をしている相手が、自分の話をひたすらに続けるような人間であれば、聞き手はストレスばかりが溜まり、いい印象を持ちません。反面、相手の話をしっかりと聞き、会話のキャッチボールをうまく行ってくれる相手を、ほとんどの人は信用します。
上司と部下のコミュニケーションにおいても同様です。

しかし、部下から上司に助言や判断を求められるケースが多く存在します。すると上司は自然と口数が多くなり、自分の理想や考えを押し付けがちになってしまい、部下から見れば「相談しづらい」と思われる結果に。

まずは上司としての自分の理想を押し付けるのではなく、部下がなにをもって悩んでいるのか、どういう方向で考えを進めているのかなどをしっかりとヒアリングしてあげましょう。傾聴と同意を行うだけでも思考やまとめ力の勉強になりますし、みずから解決策を導くことにつながる場合もあります。

そうした行動が部下から見ても信頼できる上司だと感じるきっかけにつながります。

まずは傾聴力を高め、部下から話を引き出すことから始めましょう。

笑顔で接する

当然ですが、仏頂面の上司に話しかけるのは勇気がいります。個人差はあると思いますが、ウエルカムの気持ちで笑顔を意識しましょう。
笑顔は、コミュニケーションを活発化させる最大のツールです。上司だけではなく、部下も笑顔を意識して行動することが大切です。

また笑顔で接するということは相手と向き合うことにもつながります。目線を合わせる、相手と向き合うことで、相手が感じている課題や悩みを見抜くことができます。

テレワークやリモートワークなど、勤務形態が多用している中、膝を突き合わせて話すことができない反面、テレワークでは顔が近いため、目線がちかくなります、表情を読み取るのにはむしろ好都合。別のモニターを使っていてそっぽを向いている状態で会話をするよりも、目線があっている状態で会話している方が安心にもつながります。

テレワークであってもオフィス内であっても笑顔で目線を合わせて会話することを意識して部下とのコミュニケーションを図ることをお勧めします。

ネガティブな言葉を使わない

ネガティブな言葉ばかりを使う上司に部下は信頼を寄せるでしょうか。答えはNOです。部下は色濃く上司の影響を受けます。部下の行動は上司の行動や考え方そのものなのです。ネガティブな発言は企業に停滞を生み成長を阻害します。従業員のやる気を削ぎ落し、最終的には離職率の増加にまで影響を与えます。
あなたがよき上司でありたいと願い、評価に値する人材でありたいと願うならば、ネガティブな発言を部下にすることは、避けておいた方が得策です。

よくある事例として

「前にも言ったんだけど、また説明するの?一回の説明で理解してくれないと、私も忙しいんだから、もうちょっと勉強して。まだわかんないの?だからダメなんだよね」

といったネガティブのオンパレードな発言をしている上司は多いのではないでしょうか?上司は部下を成功に導くのが最大の責務。部下のモチベーションを下げて成功につながることはありません。上司部下の関係でなくても先輩後輩であってもネガティブな発言が相手のやる気を削いでしまうことを肝に銘じておくと良いでしょう。

ネガティブと慎重は違う

ただし、慎重さとネガティブを取り違えてしまう場合があります。

たとえば、部下の企画に対して、足りない部分を指摘し、差し戻しをする。といった行動でも、

現状の提案の場合、成功に結びつくためにある危険性や脅威を指摘し、それを補足するための情報共有や、足りない部分の補足をし、何を付け加えれば成功するのか?を提示する。といったやり方の場合、より肉付けができ、確度の高い企画につながります。

結論からはなし、うまくいかないと思う。この内容では薄いといった所感と評価だけですませ、このままだと失敗するからもうちょっと考えて。といった差し戻しは、具体性に乏しく、次に繋がらないため、ダメ出ししかされないと感じ、徐々に無難な企画を作り、イノベーションを生まなくなります。

慎重さからくる助言は部下にとっても新しい発見につながりますので、否定ではない、否定するにしてもネガティブにならないように気をつけましょう。

悪口は避ける

「悪口は聞いていて気持ちのいいものではない」ということを頭ではわかっていても、ついつい言ってしまいがちなのが悪口です。
同僚や友人であれば笑って流してくれそうなものではありますが、相手が部下となったら話は別です。
聞いている部下からすれば

「この人は別の場所では自分の悪口を言うのだろう」

「この悪口に同調をしないと、嫌われてしまうのではないか」

また上司の影響力と悪口の浸透力は想像以上です。自分ではちょっとした悪口であっても、聞いている相手は悪口の対象者に対してレッテルを貼ってしまう場合があります。また悪口が一人歩きし、部下間の関係がギスギスしてしまう。悪口を言う上司として部下との関係が壊れてしまいます。

悪口が広がる環境では、従業員は不安な感情から警戒心が強まってしまいます。その結果、社員同士の溝ができ、心理的安全性が確保できず生産性が低下し、業績にも影響されます。

悪口は百害あって一利なしなので、部下に対して誰かの悪口をいうことはやめましょう。

それでも言いたい悪口の解消方法

それでもどうしても納得がいかない行動をされた、許せない行為や発言を行ったと言った場合、悪口を言いたくなります。ここはぐっと堪えてなんてできない状況もあるでしょう。その場合の対策方法としては大きく分けて二つ「考え方を変える」「関係者以外に悪口を言う」

考え方を変える

職場の人たちは家族や友人とは違います。ひとつの目標に向かって進んでいく同志であり、お互い利害関係でつながっているチームメンバーです。相手が許せないとしてもそれは個人の感情です。目標に近づくために、悪口を言うことで関係性を阻害し、当事者以外にも甚大な悪影響を及ぼしてしまうことを認識していれば、悪口をいう理由がなくなります。

関係者以外に悪口を言う

それでもどうしても言いたい!悪口。とここまで書くと、悪口を言うことがとても器が小さい人物に思えますが、悪口は人に不満を持ってしまうために生まれます。つまり人に期待している。人に注目している。ということです。ですので、悪口をひとつも言わない人物より人間味溢れる人情家とも言えます。しかし関係者に悪口を振りまいてしまうことはNG。どうしてもと言うのであれば、家族や関係のない友人などに聞いてもらうなどをしてガス抜きをすることも必要です。

ポジティブな話をする

批評批判ばかりの部下、やらない理由を見つけて行動しない部下、自分のための不平・不満の多くメンバーの状況などおかまいなしの部下、否定的な発言ばかりをし、発言を止めてしまう部下。

否定的な方向に意識が向いている状態では結果を出す方向になかなかすすみません。部下を肯定的な意識に変える必要があります。

そのため、上司は前向きな話を部下にすることが大切です。仕事をしていると、多くの不安と責任が襲ってきます。そして、その不安は誰かに励ましてもらわなければ解決が難しいものです。あなたがよき上司を目指すのであれば、部下に対してポジティブな言葉使いをすることをおすすめします。
仕事のの先輩である上司にポジティブな言葉をかけられることで、部下は安心して仕事に打ち込むことができます。

ですので、部下のネガティブな発言をポジティブに変換することも重要です。

目的やゴールの共有

上司と部下は同じ目的の中、仕事をする同志。仕事には達成すべき目的やゴールが必ずあります。たとえ上司が目的をしっかり把握していたとしても、経験の浅い部下や情報量が少ない部下ではまだ目的がはっきりしていない、理解していない可能性もあります。

自分はわかっているから部下も同じ気持ちで仕事をしてくれているはずだろうと判断するのではなく、きちんこまめ にコミュニケーションの機会を設けましょう。こまめな意思疎通は目的・ゴールの共有と解釈の認識合わせにつながり、組織単位でもプロジェクト単位でもスムーズに進むようになります。

共に問題解決を行う

自分の答えを押し付けて行動させてしまうというのは、上司にありがちなコミュニケーションのミスです。
理由や目的を理解していたとしても、押し付けられる答えや意見は、部下のやる気を奪い、生産性やエンゲージメントを低下させる要因になりますので、注意しましょう。

「今悩んでいることで一番大きい悩みはどれ?」「すぐに解決できる課題はどれだと思う?」「悩みの原因となっているものは何?」といった問いかけによるコミュニケーションは部下の「悩みや課題」を明確化し解決に導くことに役立ちます。また問いかけと同意を繰り返すことで、心の距離が縮まり、上司と部下の人間関係も良い方向に築くことができます。

褒める・認めてあげる

上司と部下のコミュニケーションにおいて、褒めることや認めることは一番大切なことかもしれません。部下は上司に褒められることや認められることで承認欲求が満たされ、さらなる頑張りを見せることができます。また上司が部下を承認することで、他者承認による存在意義の強化は心理的安全性を高め、従業員がポテンシャルを大いに発揮できる環境を自分たちで作り上げていきます。

「あいつはまだまだ半人前!褒めてやるなど10年早い!」

などと古い考えで部下の教育をしていると、10年待たずに部下は離職してしまいますし、社員のモチベーションは低下するばかり。そうなってしまう前に、ちいさなことでも、きちんと感謝することが大切です。どんなことであっても褒めるべきは褒める。こういった意識が会社の人材育成、上司と部下のコミュニケーションには必要不可欠です。また部下を褒める、感謝すると言うのは個別にやるのではなく、他の従業員が知る、わかる状態で伝えることがポイントになります。

ただ、突然大きな声で呼び止めて声がけするのは、人によっては苦痛になります。社内SNSツールを利用し感謝や承認をコミュニケーションの一環として利用するこも一つの方法です。

この記事を書いた人
名越 和徳

名越 和徳