1. TOP
  2. 組織づくり
  3. 若手が辞める会社特徴、辞める会社と辞めない会社の違いとは
若手が辞める会社特徴、辞める会社と辞めない会社の違いとは

若手が辞める会社特徴、辞める会社と辞めない会社の違いとは

この記事は3分ほどで読めます (約1624文字)

「若手社員は何を考えているかわからない」「意見を求めても出てこない」「距離を感じる」といった悩みを持つ方々も多いのではないでしょうか。社会経験の少ない若手は、多くの場合上司であるあなたの機嫌を損なわないように、必要以上に遠慮をする傾向にあります。これを放置したままにしておくと、信頼関係の構築はおろか、いずれは人材の流出につながるような事態です。そうならないためにも、若手とのコミュニケーションに何故、機能不全が生じやすいのか原因と対策を知っておきましょう。

若手とのコミュニケーションがうまくいかない理由とは

若手とのコミュニケーションがうまくいかない最大の理由は、上司と部下という権力関係の生じる関係性において、双方が壁を取り払えていないことによって生じています。詳しく分析していきましょう。

反対意見を言える環境がない

例えば、若手社員がなにか不満や意見を持っていたとします・声を発することのできる若手社員は、その不満や意見を上司にぶつけることができます。
しかし、上司にとってその意見や不満がすぐに解決できないものであった場合、頭ごなしにその意見を封じようをする人がいます。
例えば、不満に対してこのような物言いをしてしまう方は注意が必要です。

「それが仕事というものだ」「自分たちが若いころもよくそういうことを思っていた」「自分の気持ちに折り合いをつけるしかない」

あるいは、若手社員に共感を与えるために言ったアドバイスなのかもしれません。しかし、自分の意見を無碍にされたと思われてしまったら最後です。若手は窮屈さを感じ、今後の発言はより減ってしまうこととなるでしょう。
あなたがかつて若手だったころ、上司に対してある種の「とっつきづらさ」を感じた経験はありませんか?今、若手社員はかつてのあなたと同じ苦悩を抱えています。
「それを自分で乗り越えてこその仕事だ」というポリシーであるならば仕方がありませんが、現在を生きる若者は、リアルの人間関係で充足を得られなければSNSなどでいくらでも承認欲求を満たすことができます。

愛想をつかされて離職してしまったという事態に陥る前に、対策をすべきでしょう。

信頼関係ができていない

上司から部下に向けた信頼関係と、部下から上司に向けた信頼関係は、全くの別物であると認識したほうが良いでしょう。

例えば、上司にとって「よく働き、従順で、成果もあげる信頼できる部下」であっても、部下からすればそれは上司に向けた信頼関係がなせる技ではないのです。

仕事にも熱心で、ゆくゆくの昇進も期待していた若手が急に離職するというケースを見たことはありますか?もちろん例外はありますが、これはまさに「上司(会社)と部下の信頼関係が成立していない」ことによるものです。

よく働く若手というものは、会社のことに対して大変深く思慮を巡らせているものです。口には出さなくとも、改善点や意見、機能不全になってしまっている部分などについて分析をしています。
時にはそういった意見を上司や会社に向けて出すこともありますが、信頼関係ができていなければ意見も出してくれません。

これを放っておいてしまうとどうなるでしょう。若手は会社に愛想をつかし、別の会社に転職してしまいます。
「うちの会社は優秀な人からやめていっちゃうんだよね~」と冗談交じりに話されている会社はこのケースに陥っている可能性が高いので、要注意です。

コミュニケーションが足りていない

信頼関係を構築できない最大の理由は「社内コミュニケーションの不足」です。多くの場合、若手は上司に対して恐怖感を持っています。その原因は上司の言動や指示、態度など様々です。

さらに言うと、上司も若手に対して恐怖感を持っています。現代のようにインターネット環境が整備されておらず、SNSなども存在しなかった古い時代の企業には、外から見ると不透明で露見しづらい環境がありました。
今では働く人の健康やワークライフバランス、QOLなどの考え方が浸透し、ある種暴力的な教育や会社運営が社会に露見し否定される時代になってきています。

かつてのそういった時代の教育を受けて現代の若手を育てなくてはいけない上司という存在も、実は悲劇的です。
自分たちのかつての価値観が否定され、現在の価値観に無理くりアジャストしなければ、今や「社会的に叩かれる」時代になってしまったのです。

「若手は上司を恐れ、いざとなったらSNSなどに逃げ道を持つ」「上司はかつての価値観が否定され、若手が理解できず恐れる」

この関係性が、コミュケーション不足に拍車をかけてしまい、お互いを理解できない存在としてしまうのはある意味必然とも言えます。

若手社員と円滑に仕事をするために

水と油のように語ってしまった上司と若手の関係性ですが、解決ができないわけではありません。企業において円滑に業務を進めていくためには、お互いを理解して信頼関係を築くことはとても大切なことです。

今回は、上司の目線でこの機能不全を解決する方法を考えてみましょう。

反対意見を受け入れる器を持つ

意見の否定は若手のやる気を根こそぎ奪います。部下が上司や会社に意見を言うのは相当な覚悟と勇気が必要です。
あなたにとっては取るに足らない提案でも、若手にとっては一世一代の大提言という可能性があります。決して無碍に扱ったり、いい答えが見つからず「頭ごなしに否定する」ようなことはやめましょう。

「なぜそういった提案をしたのか」「その提言の可能性はなんなのか」といった、意見を広げるための「傾聴力」を発揮しましょう。結果若手の意見通りにならなくても、一緒に考えてくれたという事実が、信頼関係を生むコミュニケーションの第一歩になります。

ちなみに、意見を無碍に扱うと、若手はSNSなどに会社に頭ごなしに意見を否定されたことを愚痴ることもできます。そして同じ思いをした他人がその意見に賛同し、より一層深い不信感を得ることになりますので、部下の意見には慎重に対応することをおすすめします。

社内コミュニケーションの重要性

全ての部下に余すところなく傾聴力を発揮し、あたたかい対応をしていくのは、はっきり言って限界があります。そんなときに役に立つのが、部下の働きぶりに対して「感謝をする」という行為です。

「ありがとう」と言われることに喜びを感じない人はあまりいません。そして、この「ありがとう」は上司からもらうことで、若手の承認欲求を大きく満たしてくれます。「日々の業務もあり、常に若手の意見ばかりを聞いてはいられないけれど、いつも働きには感謝をしているんだ」というスタンスを見せることで、若手も理解をしてくれるはずです。
機会があれば、共に働く仲間には、ありがとうの気持ちを伝えるようにしましょう。

口で感謝を伝えるのが恥ずかしかったり、部下が女性でセクハラなどにならないか不安な上司の皆さんには、社内SNSなどを利用して間接的に感謝を伝える方法もおすすめします。
特に若手などのガジェットに強い世代は、SNS上などのやりとりに感情を込める手法に抵抗があまりありません。積極的に活用して、社内コミュニケーションを活発化させましょう。

この記事を書いた人
名越 和徳

名越 和徳